予選通過作品

北京、上海、広州の３都市でそれぞれ選出された優秀作品が集う代表選出会
理由は不明ながら代表選出会への参加を辞退された方もあり、少々残念な形での審査とは相成った
エリア予選での北京、広州会場の状況は判らないが
改めて通過作品を見ていると予選でどんな作品が寄せられていたのか気になるところではある

高級組（一般部門）

ビームサーベルを振りかぶるＧガンダムはＭＧ版を使用している
全体に丁寧に仕上げられ、ポーズも躍動感を表現するために工夫されているが
コンテストの場合どこから見てもバランス良く・・・ということが望まれるため、かなり苦労したんではなかろうか
上体の前方への傾斜角度、それに伴う首の角度をもう少し調整すると良かったかもしれない

砂漠用ドムキャノンという感じでまとめられたＭＧドム
前線でありあわせのもの使い強化した・・・という雑多な感じが上手く表現されている
塗装によるエイジングの表現がいい具合で施されているのだが、工作面では粗い感じが見られるのが残念ではある

基地の休暇を1/144で表現したディオラマ
フェンスの内外の雰囲気など、さまざまに気を配って作り上げられている印象を受ける
ただ、スケールの限界もあって一見した時に何を表現したディオラマなのか判りづらい
フィギュア個々の役割が伝わるようなセレクト、配置でストーリー性はもっとアピールできるのではなかろうか

ＭＧ陸戦ガンダムのディオラマは水の表現を使うことで良いアクセントをつけている
塗装によりベースが良い感じでメリハリがあるだけに
ガンダム本体の彩色で施されているシェードが強過ぎ、全体にうるさい印象を受けてしまうのが惜しいところ

画像では十分に伝わらないが、オレンジの色合いが実にいい感じの旧ザクはＭＧのＦ２をベースに改造した作品
部位による塗り分けが細かくなされているが、色数が多くなると全体のバランスがとりにくくなる
俺的な感覚だとオレンジ塗装＝練習機という印象があるのだが、作者さんはどんなイメージで作り上げたのだろうか
その辺も作品解説がなくても伝わってくる演出が欲しいところではある

ＳＤと絡めた親子ズゴックは女性の作品
本体もしっかり作られているがベースも丁寧に作られているが、ベースに対して単調なレイアウトなので受ける印象が弱いのが残念
正面手前に水路が設けられているが、これもレイアウト上の制約から目立たなくなってしまっている

HGUC版ExS-Bstは塗装で各部の質感を上手く表現しているのだがベースを用いてのディスプレイが少々おとなしい感じ
ポーズ云々は付けづらいＭＳではあるが、そのぶんメカとしての表現を強め存在感を出す方向でのアプローチは欲しかった

ＭＧのEz-8と陸ジムを使用したディオラマは使用している素材がそのままに見えてしまうので
もうひと加工あると良かったのではないか
写真では細部は判らないが、仕上げも少々粗いところが見られ時間切れで後悔を残した感じを受ける

フォビドゥンガンダムは長大な鎌を構えるポーズにもう一工夫欲しいところ
大型、或いは長い武器というのは初見で印象に残りやすいだけにその武器を持つ機体の雰囲気は大事にして欲しい

そういう意味では長モノを抱えた白いザクＷもポージングに難アリ
構えるなり携えて仁王立ちするなりの見せ方はかなり印象を左右することになる

完成させることで気持ち的に一段落するのではなく、作品としての見せ方にはやっぱりこだわって欲しいところ
上の２点についても単品としての個々の仕上がりは水準以上ではあるのだが
ＭＳをカッコ良く見せるなり印象的に見せるなりの見せ方の演出がちょっと不足しているのが実にもったいない

初級組（ジュニア部門）

３体それぞれに汚しも加え仕上げてあるトリプルドム
３体を並べるにはいささかベースが狭いのでもう少し互いの間隔を確保出来るようにするとポーズも付けやすくなる

ＳＤの対決ディオラマは２体にポイントを絞った方が良かったのではなかろうか
デスティニーに対し、フリーダムのポーズがややおとなしめなので、斬り合った後のポーズを意識し並べ
アストレイの残骸は無くしてしまってもよい

背中に大きな背負いモノを付けたＳＥＥＤ系ＭＳの場合
スタンドを介してその自由度を活かしポーズをつけると明らかに見映えが変わってくる
製作中にポーズを色々考えていても搬送して会場に持ち込む段階で意図していたポーズにならなくなる
ということもあるので、ベストのポーズが決まった段階でデジカメなどで全周から写真を撮っておき
展示の際に確認しながら復旧させると良いかもしれない
一定以上のスキルレベルに達している場合、ポーズも含めた見せ方の演出というのは
コンテストの結果を左右する重要なポイントとなる