(2006 Bandai Action Kits Universal Cup)

【 中国予選大会上海エリア 】

中国3エリアの代表決定予選会の先陣を切る形で開催された上海予選会
この後に北京、広州でも同様に予選会が開催されるの
そして秋に中国代表作品を決定する予選会が開催され、年末に香港で開催される本選に臨むことになる


こんな作品がありました

【 団体組の作品 】

今回中国予選会で初めて設けられた"団体組"
慣れないせいか応募作品は2点にとどまったため両作品ともに入賞、どっちが1位か・・・という審査になってしまった
左の1/144のディオラマはデスティニーとストライクフリーダムの斬り合いがメインになる
ベース上の他MSと仕上げの雰囲気を変えて強調しているのだが
ベースからの距離がありすぎて返って目立たなくなってしまっている
半分くらいの距離であればバランスが取れていて良かったんではなかろうか

右作品は動的でアクロバティックな構成が面白いのだが個々のMSのポーズにはやや不自然さが残る
全体の中でエールストライクが目立つような演出・仕上げは欲しかった


【 少年組の作品 】


13歳でここまで出来れば全く文句ないでしょう
工作、塗装ともに基本的なスキルは十分以上
淡い色使いでのまとめ方も自然で大人組に混じっていても違和感なしな作品と言えましょう
ポーズの付け方についても細かいところまで気を配っていてなかなかヨロシイ
絵的には右画像のような横から見た時の雰囲気がかなりいいいい
爪先の先まで力はいってます的な力強さ
胸を張って宙に立つといった雰囲気を作り出しているアゴの引き具合
微妙なバランスで全体のまとまりを作り出しているのがこの作品ではなかろうか

ディフォルメのバランスのとり方は破綻してしまっているが
リアルプロポーションのキットを使って自分なりのSDを作る、という"やりたいこと"は伝わってくる
ディフォルメのキラクンフィギュアをベースに配しているところからも作者の気分が感じられる
仕上げは十分以上のスキルが感じられるので、仮組みを重ねながら見え方、バランスを調整していけばもっと良い作品になっただろう
固定ポーズでの作品を作ろうとする場合も同様で、各部の整形と仮組みを頻繁に行うと完成時のポーズに破綻をきたすことはない


【 青年組の作品 】

発売後いち早く仕上げられた1/100のレジェンドガンダム
こちらも少年組のMk-U同様に淡い色使いでまとめられている
レイの白い機体という雰囲気が感じられ、キットの選定と仕上がりが上手くマッチングしている
細部のスミ入れが白い機体を引き締める効果を出しており、シャープな印象を与える作品と言える

肩から羽根の部分を強調することでデスサイズの個性を際立たせている
羽根をマントのような薄いものとせず翼のような厚みを持たせるという表現は面白い
翼の長さと縁に向けての薄さを表現することで塊感を薄めることに成功している
翼の内側の模様や文字列は不勉強にして読み取ることは出来なかったが
文字サイズはもう少し小さくし地紋のような見せ方にすると良かったのではないか

左の78ガンダムは躍動感のあるポーズを目指して作られているのだが
視点をかなり限定してしまうので瞬間の画像として見るぶんには良いのだが
コンテスト作品として出品する場合ブラックボックスのような視点を強制的に制限するような構成でないと
見る角度によってバランスの悪いものとなり不利になる
作風として強いコントラストを塗装により表現している効果は迫力を感じさせる

本体にかなり手を加えたゲルググは背負ったローターに少々違和感があり蛇足な感じは否めない
工作自体は非常に丁寧になされておりツヤ消しで仕上げられたゲルググは良く出来ているだけにちょっと惜しい

ハニカムスポットを配したヘイズルは画像では判らないがマスキングした部分ににじみが見られる
マスキングして吹き付け塗装を行う場合しっかりとマスキングテープを圧着させた方が良い
ハニカムの色もやや濃すぎる感じなので基本色のオフホワイトに馴染む薄めのグレイで仕上げた方が良かったのではないか

0080の1シーンを再現した情景は
連邦MS3機に対するゲルググをベースへの描画で表現するという思い切りが面白い
各機のポーズのつけ方は上手く、ゲルググから発せられたビームがジムのシールドをかすめる表現は非常に上手い
でも針金(?)で作られたビームの光条の先端が曲がっているのは見た目に損をしているように思える

縦長の小惑星で展開するティターンズとジオン残党の攻防をコンパクトにまとめ上げている
被弾した部分の爆発光の表現は中国ではよく見られる表現だが
機体表面に爆発工に照らされた塗装表現をすることでかなりそれらしく見える

直上からの襲撃に対するゲルググのポーズに戦果後の回避というような演出が加わると緊張感が感じられ
ドラマチックな構成となるのではなかろうか

パンダカラーのアッガイ親子は女性の作品とのことだがパーツ点数の多いMGにチャレンジしてくれた気持ちを買いたい
凝った作りではないが肩の力を抜いてこんな作品を楽しむのも精神衛生上よろしいのではないか

SDストフリはベース回りこそブロックでお手軽に仕上げられているが
ストフリ本体はしっかり作りこんでいてその辺のアンバランスさがなんとも面白い

SDのGP04が背にしているのはスペースコロニーで簡単ではあるが一応それらしく作ってある
スケールとか考証とかと無縁とも言えるSDだからこそこんな飾り方は楽しい


【 高級組の作品 】

白とショッキングピンクという配色は好き嫌いが分かれるところだが
コンテストの作品群にあって間違いなく目を引く
大口径花器を構えるポーズというのがこれまた決まり過ぎるほどに決まっていてとにかくカコイイ
工作、塗装共に間違いない腕の持ち主だと思われ、この配色は本人の好みなのか狙いに来たのか判断に迷う
カワグチ的には好きな作品ではある

渋めな作品ながらこのアドバンスドヘイズルが良く出来ている
スミ入れの具合もあくまでも控えめでMSのシルエットを際立たせる効果を十二分に発揮している
マーキングの貼り込みもソツなくこなされ玄人受けする作品と言えよう
そのぶん派手さにはやや欠けるが良い作品であることに間違いはない

光の羽根の造作はもう少し工夫が欲しい所だが本体の工作・塗装・仕上げは実に丁寧な良品
板構成する光の羽であれば透明板にブラシワークでも良かったのではなかろうか

ネモ重装型とでも称したらよいのだろうか、ライトグレイとライトブルーがネモっぽさを払拭している
流用パーツのまとめ方も上手く、高性能の支援機といった雰囲気を感じさせる作品

濃淡のグレイ系の塗装でまとまられ警戒行動中といった感じのNT−1は随所にディティールが加えられ
オリジナリティの高い作品に仕上がっている
量産機のような雰囲気のNT−1というのも新鮮な印象を受ける

ティターンズ・ブルーとは趣を異にする淡い紺で塗装されたMk−Uだが間違いなくティターンズの黒いガンダムだよなぁ
丁寧な作りで確かな技術を感じる作品ではある

HGUCのズゴックというアイテム選択と作品の仕上がりが実にオヤヂ好みで良い
波立つ海面の造形もズゴックの個性を強く感じさせるしポーズも良い
つや消しで仕上げられた塗装とウェザリングもちょっと懐かしい作りだが、こういう作品に出会えるとちょっと嬉しくなる

AOZネタをふたつ
リックドム・シュトゥッツァーとヘイズル・ラー・・・だっけ
ドムの方は実に手堅い作りで地味系ながら確かな技術を感じる一品
ヘイズルの方はオレンジの発色も良く、上のゼータplus同様に会場入りして最初に目につく作品だった
こういう機体は塗り分けが丁寧に行われていないとイマイチになってしまうのだが
しっかりとマスキングを施し仕上げていくと良い作品となるという好例と言える

旧ザクを用いたヴィネットは小品ながら細部まで丁寧に作りこまれていて実にオヤヂ好みの一品
ダメージ表現やウェザリングが適度に施され機体の存在感を醸し出している

MGゼータはポーズの付けかたに注文が無い訳ではないが結構細かい所まで作りこまれている
適度なシェードでメリハリが効いているが
これ以上シェードが強くなると迷彩塗装のようになりそうなギリギリのところ

ブラシワークで仕上げられたヘイズルは明るいグレイの上にネイビーブルーをオーバースプレーしたような感じで
部分的に赤みの強いオレンジで影付け(?)を行っているのが面白い
肩ブロックにその辺の効果を見ることが出来る

マーキングの入れ方にはもう少し気を配って欲しい感じだがこのガンダム、スミ入れに赤みの強い紫を使っている
グレイ系や茶系のスミというのはよく目にするし自分も使っている色なのだが紫というのは初めて見た
スミ色が然程強くはないので白い機体に程好いアクセントになっている

1/144スケールでサザビーとνガンダムの戦いを再現したディオラマはガンダムのポーズの取り方で少々損をしているように思える
サザビーの方は深みのあるメタリックカラーで仕上げられていて単品として見ても十分見ごたえのある作品ではある

フィギュアと絡めたヘイズルのディオラマは基地での休日のひとコマということで構成されている
フィギュア個々のストーリー性が加わると一見してシーンが想像でき、作品としての完成度も高まるのではなかろうか

海面から頭の一部を出したアッガイ
水面下では潜水艦上で待機、或いは調整している様子が作られている
水面の透過性が無く水色の板の上に頭があるという感じなので
色を重ねながらも多少上から見た時に水面下の様子が透かし見えるくらいの仕上がりになると良いのではないか

青と白で塗装されたゲルググは身の丈以上の巨大な火器を携えているのだがここでは本体部のみをトリミングさせてもらった
その大きさから火器の方に目が行ってしまうのだがオフホワイトの仕上げが美しく
ロールアウトしたばかりの機体といった雰囲気が感じられる

"宿命"と名付けられたMGのサザビーとνガンダムを背中合わせに立たせた作品は
ややベースが狭い感じで2体を立たせるとかなり窮屈に見える
テーマを考えると背中合わせというのは分るのだが、単に立たせるのではなく
銃を持つ手を上げるとか顔を後ろへねじ向けるようなポーズを取らせるといった演出は欲しいところ

赤いヅダはメタリックカラーとの組み合わせで硬質な印象を受ける
ポーズについては長モノを持たせるのであれば銃尻を地につけるとか腰溜めで構えるといったポーズの方が
ありがちではあるもののやはり決まる


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