模型亞洲盃挑戰賽2005
(2005 Bandai Action Kits Asia Cup)

【 香港・決勝大会 】

参加9エリアの予選で選出された優秀作品が香港に集められ決勝の審査に臨む
各地を戦い抜いてきた作品だけに優劣は付け難いが
作品が収められたガラスケースを眺めているとそれぞれのお国柄のようなものも感じられ、なかなかに眼福ではある

今後も継続される予定のBAKAC
参加エリアが増え、さらにクオリティの高い作品に接することが出来るのを楽しみに思いながらも採点は進む・・・


中 国

[ オープン部門の作品 ]
グラデーションの色変化が過ぎる気がするZガンダム、ポーズにもう一工夫あると見栄えがだいぶ変わるんじゃなかろうか
ディオラマ作品は2点でワンセットということになっている
ジオンと連邦でそれぞれに同じようなシーンを構成しているが、水の表現がなかなか上手い
"赤鬼"と記されたゼクアインを使った作品
流用パーツがかなり盛り込まれているが全体のバランスはいい感じで鎧風の処理が個性的で面白い
[ ジュニア部門の作品 ]
他国のジュニアの作品と比較してもストライクフリーダムの完成度は群を抜いている
武者ガンダムは色使いが上手いがベースのシンプルさが惜しいところ
SDランチャーストライクはやや塗りが粗い印象があったが丁寧な作り込みは好感が持てる

香 港

[ オープン部門の作品 ]
ソードインパルスの場合、カッコよく見せるためのポーズというのは大体こういうポーズになるのだろうか
確かに決めポーズでカッコイイのだが、逆に新鮮味は薄く感じられてしまうのが残念
MS本体にはかなりディティールが加えられ丁寧な仕上げのマラサイなのだが
流用しているビームシールドの表現がパーツ然としていて色合い的にも目立つだけに普通の作品に見えてしまう
[ ジュニア部門の作品 ]
派手さは無いが堅実な作りのグフ、ヒート剣に手をかけようとするポーズであれば本体のほうも然るべき
スプリッターパターンのパーフェクトガンダム
各部のボリュームがあるだけにある程度ポーズを決めないとカッコよく見えなくなってしまう

インドネシア

[ オープン部門の作品 ]
かなり作りこまれたEx-S Bstだが仕上げのシェードが強すぎるため黒い塊に見えてしまうのが残念
赤いハイザックは一見すると06R-2かと思うくらいによく馴染んでいる
建物の仕上げにもっと手を入れてやると全体のまとまりが良くなるのではなかろうか
かなりアレンジを効かせたバスターは・・・ちょっと脚が細長すぎるかなぁ
[ ジュニア部門の作品 ]
ドラグーンの表現が面白いだけにSフリーダム本体にそれなりのポーズが付けられていると良かった
SDのディオラマは海面の表現も上手く、綿を使った水煙の表現も面白い
SD本体の作り込みがしっかりしていると良い作品になると思われる
格納庫を配したディオラマはちょっと全体の構成が散漫な印象を受ける

韓 国

[ オープン部門の作品 ]
PGのフレームを活かした整備中のストライクはフィギュアの配置もよく考えられており
全体のまとまりも良いが少々シェードがくどい印象を受ける
適度なディティールの追加と見事なブラシワークで仕上げられたキュベレイは
写真ではそのクオリティが伝わらないのが残念なほどの仕上がりだった
[ ジュニア部門の作品 ]
メカ部にアクセントとして入れられた原色形のカラーが効果的なボール
地味ながら丁寧に作られたザクはジュニアの中ではちょっと異色な印象を受ける
テレビのOPっぽい残骸の上に立つGガンダムだが、ベースが平板に過ぎる
残骸の山の上に立つ的な演出であればベースに起伏は欲しいところ

マレーシア

[ オープン部門の作品 ]
カッチリとした表面の仕上げが丁寧な作りを強調しているズゴックだが腕に装着した武器はちょっとそぐわない感じ
ベースも面白い構成で手馴れた印象を受ける
FAZZはチェッカーパターンで塗装されているが
ややチェッカーのサイズが大きいためスケール感が損なわれている
しっかりした作りなだけにちょっと残念かも
ジムとガンキャノンがア・バオア・クー戦でドムと白兵戦を繰り広げているという感じだろうか
個々のMSは細部まで作りこまれておりアレンジも自然な印象を受ける
写真では判らないが3体のMS個々の表面仕上げやマーキングパターンが単調にならないように気をつけられていて
かなりの集中力をもって作られた作品だと思われる
[ ジュニア部門の作品 ]
キットを丁寧に仕上げた感じのフリーダムは作品としてのテーマ性が加わるとアピールが強く出せる思われる
対決ディオラマはそれぞれのポーズはいい具合なのだがベースに散らばるザクWのパーツがちょっと蛇足な感じか
ザクの全高に対しベースの壁が低いため全体のバランスを欠いている面はあるがフィギュアを使ってドラマ性を上手く表現している
ザクも素立ちの状態なのでフィギュアの配置同様にポーズを考えると更に良い

フィリピン

[ オープン部門の作品 ]
PGザクを使った整備中のMSドックといった感じのディオラマ
細かい本体の作り込みがメカの巨大感を上手く演出しており
各所に配されたフィギュアもシーンを"見せる"役割をよく果たしている
追加されたディティールの精度にやや甘さが見られるのが惜しいところ
MGボールを芯に作られたオリジナルSFメカといった感じの作品
かなりの大きさで、1960〜70年代の英国製SFドラマに出てきそうなテイストを感じる
作りは丁寧で作品としての質も高い
[ ジュニア部門の作品 ]
ゴックと戦うザクWはザクWを支えるパイプが太く気になるが流用パーツが本体に馴染んでいてセンスを感じさせる
ヒロイックな印象を受けるイージスだが肩アーマーの角度など、機体を大きく見せる効果が入るとより強い印象になる
龍の舞はマジョーラで仕上げられた龍が不思議な風合いを醸し出しているのだが支えるMSの工作面に粗さが目立つ

シンガポール

[ オープン部門の作品 ]
淡い塗装で仕上げられたMGνガンダムはディティールの入れ方が上手く緻密な印象を受ける
せっかくのベースなのでシーンとしての作り込み、演出を加えてやると素晴らしい作品になるのではなかろうか
躍動感のあるガンダムは腰を回し過ぎたためポーズを構成する全身の流れが腰で途切れてしまっている
1箇所の軸で向きを変えるのではなく全体の関節軸を少しづつ使って全身のフォルムが自然に見えるよう工夫すると良い
よくぞ作った!
という感嘆の言葉が誰もから漏れる1/144デストロイガンダムは全体のフォルムもしっかりしていて破綻がない
足元にザクWが倒れているが、ヴィネット的な構成を考えるのであればデストロイの目線や手での表情付けといった
演出面のこだわりが反映されるとまさに無敵
[ ジュニア部門の作品 ]
フィギュアを配したフォースインパルス
ややポーズが硬い印象を受けるがライフルの射線とインパルスの目線は合わせた方がよろしい
ヘビーガンという選択は珍しいが、作りは実に正攻法で細部の仕上げがしっかり出来ていると良かった
黒いデスティニー、配色がややチグハグな感じだが案外似合っている気がする
マスターガンダムみたいな配色もありかもしれん

タ イ

[ オープン部門の作品 ]
鉄人あたりの敵ロボのようなアレンジが馴染んでいるズゴックだが、写真で見る以上に水面の表現は上手い
シルエットフォーミュラーチームはMS個々の配色が面白い
ベースのサイズに対し3体のMSというのはちょっと窮屈な印象を受ける
GP03の発進シークエンスという感じのディオラマは完成度も非常に高い
惜しむらくはMS本体の演出がやや不足しているところで、バズーカを取ろうとしているとか
シールドに目線を向け左手を伸ばしかけているといった
ちょっとした演出を加えることでかなりドラマチックな作品になると思うんだよね・・・実に惜しい
[ ジュニア部門の作品 ]
SD2点はどちらもおとなしい感じでインパクトがやや不足している感じ
特に赤SDの方はディオラマ仕立てにしてあるのだから剣に手をかけるとか首を少し回して表情を出す
といったところに気を配るといい感じになると思われ

台 湾

[ オープン部門の作品 ]
台湾の作品に対する詳細は予選会のレポでも記してあるがやはりアッシマーの完成度は非常に高い
プロポーションのアレンジは好みの分かれるところだがメカニカルな感じがよく伝わってくる
[ オープン部門の作品 ]
各国の優秀作品に囲まれるとやや難ありだがF2ザクのキットを楽しんでいる感じはよく伝わってくる
オレンジ・ジンもよく作りこまれて入るが刀を構えるポーズに工夫すればもっと迫力は出せると思う


こうしてコメントしていくと、ただの文句タレのオサーンみたいで軽く鬱るが
各エリアの優秀作品が集められただけのことはあって、審査していても粗探しのような見方をせざるを得ない

また、実際の作品を見るのと写真で見るのでは読み取れる情報量は大きな差があるのも間違いない
やっぱり模型は現物を前にして語るべきものだということを当レポを作りながら実感させられる次第ではある


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